マークシート・ラブ(デジタル化のグラデーション)
テストを受ける側としてはマークシートは嫌いなのですが。
ひとくちにデジタル化といっても、学校の現場の運用ではグラデーションがある。
コンピュータやネットワークや整備されて、いざ使おうとしても、その運用設定(認証の方法や、ネットワーク接続のセキュリティ運用、ネットワークのレイテンシーなど)でうまくいかない場合がある。
どれだけお金をかけても、使い方が考慮されない仕組みは、使えない。デジタル化よりもアナログでやったほうが、その場では余程ラクな場合がある。
とはいえ、現場ではそんなことに文句を言っていてもしょうがないし、採点などいずれ集計を行うようなものは早めにデジタル化するに越したことはないので、デジタル化のグラデーションの中での落とし所を見つける必要がある。
例として、ひとつの手っ取り早い手段は、「マークシート」、日本のテストの歴史の中では欠かせない、あのスイカの種を整列させていくようなフォームである。
たとえば、プレゼンテーションの発表を、参加者同士の相互評価にしたい場合。
・本当は紙を使わずインタフェースからデジタル処理したい。
・本当はネットワークでリアルタイムに集計したい。
そういった、本当は、の先にある理想のデジタル化を行うために、あまりにも制約がある場合は、デジタル化のグラデーションの中で落とし所を探したほうがよい。この場合、
・インタフェース(入力の手段)を鉛筆にする
・集計するタイミングを遅らせて、集計と講評の時間を、自由コメント記述の時間にあてる
マークシートとは濃い鉛筆を使ったデジタルデータの取り込み手段であるので、その方法に採ったほうが、授業という短時間の学習体験の向上にいいことがある。
授業で使ったのは、「マークシートDIY http://www7a.biglobe.ne.jp/~ogihara/ja/AnswerSheet.html」というMac用のフリーのツール(デベロッパ: Takeshi Ogiharaさん)。これがあれば、Mac/プリンタ/スキャナ/紙/鉛筆があれば、数百人分の集計と採点処理のデジタル化ができる。時間が捗り、質的な評価に注力できる。
以下はつくったシートの一部。
統計処理で片付くことは可能な限りデジタルに任せるべきだと思う。そういう意味で、状況と使い方によってはマークシートは無敵。マークシート・ラブ。
もし、万が一、元データを使いたい方がいたら、コメント欄でご連絡ください。